だんじり祭りで有名な大阪府岸和田市から須崎の上分地区に夫婦で移住してきた辻本さんは、子どもの頃から大の釣り好きだったといいます。「大阪に住んでいるときは週末になると和歌山へ車で片道二百キロ走って釣りに出かけてたんですが、須崎に来てからは、近場に釣りスポットがたくさんあるので暇さえあれば釣りをしています。須崎は三十分走れば大物釣りも出来るし、磯も湾もあるのでいろんな釣りが楽しめますよ。朝、目が覚めて、条件が良ければ即釣りに行く、といった感じですね(笑)」
そう話す辻本さんは、五十才の時に移住を思い立ち、田舎暮らしの本やケータイで物件を探し須崎へ。「思った以上に良い物件だったので下見の帰りの高速で、嫁と移住を決めたんです。その物件は嫁の希望の縁側もついていたし。環境によって気持ちもずいぶん変わるもんですね。釣りがしたいから、正社員を断ってパートにしてもらったぐらいです(笑)。移住となると、なかなか一歩が踏み出せないと思うんですけど、私の場合は物事を深く考えないので、すんなりと移住を考えることができました。今から思えば大阪のガチャガチャした暮らしが信じられませんね。のんびりできて、今はほんとに幸せですわ。」
―――須崎はどうですか?
「やっぱり自然は魅力的ですね。四季の移り変わりなど、見ていて飽きません。あとは、都会みたいに人が多くないので、花火大会(須崎まつり)などもゆったりと楽しめる。大阪に住んでる時は花火を見に行ったのか人を見に行ったのかよくわかりませんでしたから。須崎はほどよい人口ですよね。もうひとつ気付いたのが、こっちはお年寄りが元気です。今まで、『人生七十五年』と思っていましたが須崎に来て九十才までは生きないと!と思うようになりましたね。」
近々、お子さん家族も須崎に移住されるといいます。そんな辻本さん一家、これからも、須崎を満喫していただきたいと思います。
(取材:2012年4月)