昭和27年に創業し、昭和33年に前身となる『田村スレート有限会社』を設立、平成9年に体制変更を伴い、社名を改めた『タムテック』を今回取材させていただきました。

 
──瓦の製造や施工のイメージが強いですが、どんなお仕事をされているか詳しく教えてください。
もともとは瓦の製造が主な仕事でしたが、今は新築住宅であれば耐震構造の関係もあり、板金で建てる方がほとんどで、瓦も下火になってきています。これまで、自社製品による自社施工や瓦の葺き替え、修理をしていましたが、今はそれに加えてハウスメーカーさんの施工もやらせてもらっています。
 
──瓦のメリットは頑丈であるということになりますか?
そうですね。弊社では、日本で2社しか使うことができない『GCMセラミック瓦』というものを使用しており、かつては1年に1,000棟ほど施工していました。特に頑丈な瓦なので、修理をすることはほとんどありません。例えば、【須崎市道の駅 かわうその里すさき】の瓦は当社による施工で、1999年に開業して27年ほど経ちますが、今も綺麗に残っています。海が近くて潮風や太陽が当たる立地の建物と、瓦屋根は相性が良くて、綺麗な状態が長く続きます。ただ、山や川の近くの陰地はコケが生えてきてしまいますが、それも水洗いをすれば元に戻るので問題ありません。

 
──施工の対応はどのエリアまでされているんでしょうか?
以前は、ハウスメーカーさんの施工で滋賀県まで行ったことがありましたが、今はほとんど高知県です。滋賀県のお客様に私たちの瓦のファンがいらっしゃって、「タムテックさんの瓦がいいから、須崎市にふるさと納税を寄付しました」と仰っていたことには、驚きました。
 
──素晴らしい地域貢献ですね!単瀬込めてお仕事に取り組んでいるから、ファンになる方がいらっしゃるのかなと思いました。
瓦については、自社で製造して自社で施工するので、仲介業者が入りません。それによって余分な費用もかからず、品質が保たれることが大きいのかもしれません。
 
 
伊奈製陶(現:LIXIL)が、長年の研究によって開発したGCM(Glazed Cement Material)セラミックを使用しているタムテックさん。
一般のセメントコンクリートよりも高い強度と美しい表情を誇り、カラーバリエーションも豊富なGCMを、LIXILから実施権を得て製造している少ない会社です。
その確かな技術によって、【須崎市道の駅 かわうその里すさき】をはじめ、高知県内の一般住宅から公共施設の施工を担っています。
 
ただ、仕事の質の高さを感じる一方、技術の承継や人手不足が叫ばれる職人さんについての課題です。
 
──その課題について、率直な意見をお聞かせください。
そこが難しい問題です。自社で修理ができる体制でしたが、その職人が退社したばかりなので、今は残った少ない人数でどのように自社で対応できる仕組みを作っていくかが課題でしょうね。
 
──今は何人でお仕事をされているんですか?
全員で25名です。工務店さんのサポートやリフォーム、新築、不動産業など、それぞれの部署で色んなことをしています。これからの時代、職人さんの仕事が重要になってくると思いますが、なかなか職人になられる方はいらっしゃいませんね。高知では、四万十市に職人を育成する中村高等技術学校がありますが、そこを卒業していても職人ではなく、別の職業に就かれる方もいます。
 
──きつい仕事というイメージが強いかと思いますが、逆にそういう仕事だからこそ感じられるやりがいなどはありますか?
瓦葺き職人は1人では仕事ができず、2人もしくは3~4人で仕事をすることがほとんどです。以前、当社では夫婦で瓦葺き職人をされている方がいました。今は退職していますが、退職されたあとドライブに行った際に「ここは私たちが瓦葺きをしたよね!」と会話が弾んだそうです。自分たちの仕事の成果が、外から見えるところは、とてもいいと思います。
 
──生成AIが発展してきている時代ですが、それは人間にしかできない仕事ですよね。
AIにとって代わられる仕事もあるかもしれませんが、家の建築はもちろん、瓦の製造や施工には技術が必要ですからね。
 
──職人さんは、瓦専門の方、スレート専門の方、といったようにそれぞれの分野で仕事が分かれているんですか?
瓦の職人さんは、なんでも葺きます。当社の瓦だけでなく、他の産地の瓦も葺きますね。工場の勤務の方は主に製造をしていますが、余裕があるときはサッシの方を手伝うこともあります。サッシにももちろん職人さんがいますけど、他の部門の仕事もするので、スタッフには色んな技術が備わっています。

 
タムテックでは、スタッフが持ち合わせる技術を発揮するために、会社として意欲を促す仕組みを設けているそうです。
 
──どのような取り組みか教えていただけますか?
当社独自の取り組みとして、経営理念に基づき、各スタッフがどのような取り組みをしていたかを、1ヶ月ごとに振り返っています。さらにそれを1年間トータルで振り返って、特にいい取り組みをしていたスタッフを表彰しています。これは、20年ほど前から続けていることですね。
 
──確かにあまり聞いたことがないかもしれません。それをする以前と比べて、皆さんの仕事ぶりは変わりましたか?
変わりましたね。経営理念の意味をきちんと理解して、皆さん会社のために前向きに頑張ってくれています。そうしたことが、次のお客様にも繋がっていきますからね。それと、環境整備についても取り組んでいます。
 
──それは仕事をする環境、という意味ですか?
そうですね。人間教育というとおこがましいですが、仕事をしていると楽な方へと流されてしまう時があります。ですが、そうして楽をしてしまい、お客様のお家を汚してしまうことがあってはいけませんよね?そのため、例えばトイレ掃除であったりとか、自分が仕事をしやすいように環境を綺麗に整えていく、ということは30年近く実践しています。習慣が身についていない間は、うまくできないかもしれませんが、そうしたことを日頃から続けていくことで、仕事にも生きてくると思います。今のお客さまは、現場もよく見てくださっているので、営業だけちゃんとするのではなく、現場で作業をするスタッフも会社の顔になるので、どうしているかが大切ですね。
 
 
瓦の製造、新築住宅の施工に加え、リフォーム、不動産業、とタムテックさんの仕事の領域はますます広がってきています。
70年以上にわたって事業を継続されている秘訣は、日ごろの堅実な取り組みと意識の共有にあると分かりました。
これからも、須崎の住まいを支えてください!
 
【株式会社タムテック/ホームページ】
【株式会社タムテック/インスタグラム】