今回は移動式茶寮【山の灯】のオーナー、柿谷 奈穂子(かきたに なおこ)さんを取材させていただきました!
柿谷さんは東京都出身で結婚を機に須崎市に移住されてきました。
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【移住者インタビュー/柿谷 奈穂子さん】
●『日本茶インストラクター』として活躍
柿谷さんは『日本茶インストラクター』という資格を活かして【山の灯】を運営しています。
高知に来る前は京都に住んでいた柿谷さん。
京都はお茶の産地ということもあり日本茶インストラクターの資格を持っている人も多く、インストラクターとして活動できるアルバイト先やフィールドが数多くあります。
ご主人が元々有資格者ということもあり、一緒にいろんなお茶を飲んだり、農家さんを訪問する中で柿谷さん自身も日本茶に興味を持ち始めたそうです。
「京都はお茶の産地も多いので、お茶仲間からお茶農家さんを訪問して茶畑の見学や茶摘み体験をしていました。京都には日本茶インストラクターが多く居て、カフェの店主もインストラクターだったりします。業界との繫がりも多いので、研修会の案内やイベント案内など声を掛けてくれることが多くて、どんどんお茶にのめり込んでいきました。その中でインストラクターの方が『資格取ったら?』と言ってくれて資格を取ることにしました。」
資格取得後は柿谷さん自身も抹茶や玉露を観光地でふるまったり、個人でお茶教室をしたり、時には小学校に教えに行ったりとインストラクターとして2年ほど活躍されていました。
●高知に来て衝撃…!
結婚を機に高知に移住してきた柿谷さん。
主婦をしながら車の免許を取りに行き、その中で仕事があるかを探していたそうです。
しかし、高知では『日本茶インストラクターってなに?』という状態。
高知で資格を取得しているのは10数名くらいで、個別で活動している人がちらほら居る程度だったそうです。
「お茶に関わろうと思ったら『仕事としてもないんじゃないか』と職業安定所の方にも言われるくらいなかったので驚きました(笑)」
●運命の出会い
高知に来てお茶についての情報を得るために行ったのが高知市帯屋町にある【土佐茶カフェ】
そこのカフェで茶摘みツアーの情報を得たりしていたそうです。
「土佐茶カフェで働けないかと聞いてみたりしましたが、その時は募集していなかったものの『資格を持っているなら』と高知県職員さんに繋いでもらったのが高知でのお茶仕事の始まりでした。職員さんから『JAの臨時職員の応募枠に土佐茶を広めるための職員募集があるけどどうか?』と紹介をしてもらって、JA津野山(現:JA高知県高西営農経済センター津野山経済課)に行くことが決まったんです。」
お茶に関わる仕事を探すべく、自己紹介ついでに資格のことをいろんな方に話していた柿谷さん。
──この当時、やはり苦労もありましたか?
「苦労という苦労はなく、本当にラッキーでした。やりたいこと、自分の持っている資格のことをいろんな人に言っていれば誰かしら何か縁をくれるというのを実感しました。主人以外の知り合いが高知県に全くいない状態で友達も全然いなかった私ですが、義理の妹が高知に来た当時いろいろなところに連れて行ってくれて。土佐茶カフェに連れて行ってくれたのも義妹だったので、縁を繋いでくれた人なんですよね。人づてに人づてに紹介をしてもらってJA津野山での仕事も決まって、本当に人に恵まれていました。」
JA津野山での仕事をスタートさせた柿谷さんは「津野山ビール」の開発にも尽力。
津野山ビールを普及しているなか、色んな人から声をかけてもらえるようにもなったそうで、須崎のイベントなどでも出店。津野山のお茶の魅力のPRや津野山ビールの普及活動に取り組まれていました。
JA津野山で2年働いた柿谷さんはその後独立の道を選びます。
──どうして独立を選んだのですか?
「JA職員となると、総合事業なので次にどこに配属になるかが分からないじゃないですか。自分のやりたいことと違うなぁと思っていた時に後押ししてくれたのが高知県庁の土佐茶担当の職員さんだったんです。『ここまででいろんな人脈もできているから、フリーでやってみても仕事はあるんじゃない?』と言ってくれて、独立の道を選びました。独立してもありがたいことに【茶業振興アドバイザー】として津野町役場からもお仕事をもらう機会もありました。【ツノチャマルシェ】は津野町役場に働きかけて、地元の茶業者や有志の皆さんと作り上げてきたイベントです。」
●高知のお茶の魅力
これまでにたくさんのお茶を飲んできた柿谷さん。
──高知のお茶【土佐茶】の魅力はどういったところでしょうか?
「高知のお茶は山の産地で作られる『普通蒸し』といわれるスタンダードな製法なものが多いんです。生産量がそれほど多くないことで、茶産地としての全国的な知名度はあまりないのですが、山間地で昔ながらの作り方をしているものが多く、素材自体にポテンシャルもあって、香りが凄くいいことも特徴の一つなのと、全国的にも珍しい乳酸発酵のお茶や釜炒り茶、紅茶、烏龍茶などバリエーション豊富なのも魅力的です。農家さんの技術ももちろん素晴らしい人が多いんですが、高知県の自然が持つ力がお茶にも表れている感じがしますね。京都や静岡のお茶を『ハリウッド美人』という感じだったら、高知のお茶は『デビュー前のアイドルの原石』『すっぴん美人』といった感じです(笑) それだけ飾らなくても美味しいお茶が多いということで、それは土地の魅力や土質の力だと思っています。その部分は味のパンチには伝わりにくいんですけど、ジワリと体感に響いて、派手さはないけどずっと飲み続けられる味というのが【土佐茶】の魅力です。」
●高知県は自分から出向く方が相性がいいのかも
──キッチンカーを始めようと思ったきっかけは?
「お店をするよりは自分から出向く方が高知県は相性がいいのかなと思ったんです。イベントはいっぱいあるけど、店を構えるとそこに人を頑張って呼ばなきゃいけないという難しさもあるし。自分がイベントなどに行くのが好きということもありますが、女性が一人でやる分には良いし、飲食店と比べて仕込みなどもあまりないので自分一人でもできるかなと思いお茶のキッチンカーもありかなと思ったのがきっかけです。」
──どんなことをやりたいですか?
「イベントや地域での出店販売が一つの目的ではありましたが、もう一つの目的は絶景でお茶を飲む【絶景茶寮】です。キッチンカーがあればどこでも気軽にお茶を淹れることができるので、安和の集落活動センターでも海を見ながらお茶を楽しめる体験の開催をさせていただきました。最近は、県内の茶園をお借りして茶畑を見ながらの開催もしました。出店のときはテイクアウトドリンクの販売、そうじゃないときは外国の方や地元の方を対象にちゃんとした茶器で味わってもらうお茶の体験を提供したいですね。」

●キッチンカーはDIY!
柿谷さんは2022年度に開催された「すさきビジネスプランコンテスト」にて、このキッチンカー構想が評価され見事優勝されました。
そのときの優勝賞金を活用し、中古のキッチンカーをDIYされたそうです!
──どのようなことが大変でしたか?
「お茶仲間のご縁で中古のキッチンカーを引き受けましたが、屋根にも穴が開いていたのでそこを直すところからでした。新規のキッチンカーは小さなものでも結構高額なので、自分たちで直す方が安くなると思ってDIYをすることにしました。これまで電気ドリルも使うことがなかったのですが、これをきっかけにめちゃくちゃ使うようになって(笑) 壁を剥がしたり、電気系統を外したりなどのDIY作業がとにかく大変でした。」

「前のキッチンカーの仕様だと保健所の許可が下りないので、下りるための設備のやり替え作業もとても苦労しました。天井部分も雨漏りを確認しながらコーキングを打ったり、大丈夫だと思っていても大雨のあとに濡れていたりしたこともあったので、原因を探しつつの修繕でした。修繕作業は主人はもちろん、友人などにも手伝ってもらいながら、仕事の合間に作業をしていたので修理に約半年ほど時間がかかりましたが、2024年2月27日に開催されたCona-Cafeさんの15周年イベントにてデビューをすることができ、その後は『海のまちマルシェ』や佐川町の『さくらまつり』など、いろいろなイベントに参加をしています。キッチンカーをしていると食中毒が一番怖いので、同じキッチンカーをしている方と情報交換をしつつ、機材の載せ替えや追加修繕などもしたりしています。」

●人前で淹れることの楽しさを実感
──キッチンカーを始めてみてどうですか?
「やってよかったなって凄く感じます。『人前で淹れるのがこんなにも楽しかったんだ』という発見にも繋がりました。あと、お茶を飲んだ時の感想もダイレクトに聞くことができるのもすごくいいなと感じています。お茶の産地を直接普及するきっかけにもなりましたし、今まで会ったことのない人との出会いが凄く増えたなと思います。インスタでの出店情報を見て県外からわざわざ来てくれるファンの方も増えてきてくれたのもすごくありがたいですし、やりがいしかないですね!」

──逆に大変なことはありますか?
「キッチンカーなので、天候によって収益は左右されてしまいますね。雨がひどいときなどもあるので、それなりにリスクはあります。あとはとにかく『オペレーション勝負』というところですね(笑) 大量注文をいただくこともあるので、とにかくオペレーションが大事なので出店をするたびに改良点を見つけて提供スピードが少しでも上がるようにしています。それと、おしゃれなキッチンカーでありたいと思っているので、日々改良しつつ且つ衛生的なキッチンカーを維持していきます。」
●土佐茶の魅力をもっと伝えたい
──これからこのキッチンカーをどのようにしていきたいですか?
「体験型をする機会をこれから増やしたいなと思っています。そのままのストレートの土佐茶を本当はもっと知ってほしいんですけど、幅広い方に興味を持っていただくメニューにする必要もあると感じているので、季節ごとのアレンジドリンク紹介のほか、須崎や県産の素材を使ったメニューの提供もしていきたいと思っています。私自身、淹れ方を工夫することはできても生産者さんのようにお茶を作ることはできません。土佐茶の魅力がもっと伝わるように、そして飲みたくなる土佐茶のPRも考えていきたいです。」
●土佐茶をぜひご家庭でも!
──最後にメッセージをお願いします!

「キッチンカーでいろんなところに出向こうと思っていますので、見かけたらぜひ『今日はどんな土佐茶があるのかな?』と覗いてみていただきたいなと思います。家で土佐茶を美味しく飲むときの方法も店頭で聞いてくれたらお伝えさせていただきますので、気軽に相談してほしいです!店頭では土佐茶のリーフやティーパックも販売していますので、高知のお茶をぜひ楽しんでいただけたらと思います。」
お忙しいなかご協力いただきありがとうございました!
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