四万十町にある『高知県立農業担い手育成センター』を訪ねました。
 
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『高知県立農業担い手育成センター』は、農業者の総合的支援施設として、平成26年4月に開設されました。高知県で就農したい方のために、農業に関する基礎知識や技術の習得を行い、就農までサポートしてくれる施設です。
 
この日は、就農支援担当の矢野チーフにご案内していただき、お話しを伺いました。センターでは、現在、12名の長期研修生が日々就農に向けて研修に励んでいます。
 
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(午後のミーティングでの一コマ)
 
長期研修生12名のうち、7名は高知県以外の出身者とのことで、東京都や神奈川県、兵庫県、滋賀県等からいらしています。研修期間も6ヶ月~24ヶ月と実に様々。都会から田舎への移住を考えていらっしゃる方の中には、農業に興味を持っている方がとても多いです。でも、就農までの道筋がいまいち分からないという声も多く聞きます。
 
『高知県立農業担い手育成センター』では、高知県での就農を考えている方のために、働きながら土日に農業について学べる「こうちアグリスクール」を開催しています。実際に、長期研修生として県外からいらしている方々は、この「こうちアグリスクール」に参加していた方が多くいらっしゃいます。
 
今年は、高知会場の他、大阪会場、東京会場、名古屋会場で開催しています。
(※今年度の募集は終了しています)
 
また、インターネットで高知県の農業と農業技術を学べる通信講座「新いなかビジネススクール」もあります。そして、実際に高知県に来て、高知で農業をされている方のお話を聞いたり、産地に伺う「アグリ体験スクーリング」も実施しています。
 
「アグリ体験スクーリング」は、2泊3日で行うため、内容は本当に盛りだくさん!長期研修生との交流会もあり、研修から就農までのリアルな現状を知ることができるんです。実際にその土地に行くからこそ感じられるものがあり、とってもおススメですよ。
 
ところで、高知県は、平野部では冬の温暖多照な気候を利用して冬春野菜を中心に園芸農業が、山間部では、夏期の涼しい気候を活かした園芸農業や地域の特色を活かした農業がおこなわれています。ちなみに、高知県は、ゆず、文旦、なす、ししとう、みょうが、生姜などの生産量が日本一なんです。
 
たしかに、こちらに来てみると、生産量が日本一だと実感するくらいそれらの生産者さんによくお会いします。高知県では、新規就農者の約4割がIターンの方なんだそうです。
 
敷地内には、長期研修生が安心して研修できるよう、宿泊施設と食堂も完備されています。
 
こちらは、食堂です。
 
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こちらは、長期研修生の宿泊施設(個室)・正大寮です。
 
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『高知県立農業担い手育成センター』の前身は、農大研修課なんですが、いかにも学生時代に戻ったような雰囲気漂う寮ですよね~。こちらは、女性用のお部屋もあります。
 
現在は、こちらの正大寮と併せて約40名の長期研修生を受け入れられるように新たな宿泊施設を建設中だそうです。この宿泊施設、県が建設する施設としては初のCLT工法なんです。
※CLT(Cross Laminated Timber)工法・・・高い耐震性と断熱性に優れた特性がある
 
また、宿泊施設同様、建設が進められているものとして、4.3ヘクタールの次世代施設園芸団地があります。
 
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ここでは、来年の8月からトマトが栽培されるとのこと。オランダの企業数社が携わって高度な設備を備えた施設を建設中です。この日も、オランダの方が一生懸命に作業をしていました。
 
高知県では、農業大国オランダの先進技術を取り入れた高品質・多収栽培の実証を行い、県内各地に普及させることを1つの目的としています。また、次世代施設園芸団地の向かいには、体験型農園の「クラインガルテン四万十」があります。
 
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見てください。このコスモス畑。素敵ですよね。
 
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『高知県立農業担い手育成センター』のある地域では、毎年コスモス祭りが開催されています。そのため、地元の方が敷地内の圃場を活用してコスモスを植えているそうです。また、コスモス畑の奥には、地域の子ども達がサッカーを楽しめるようにグランドを設けています。
 
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他にも、地域の子ども達が芋掘り体験ができるよう、敷地内に芋を植えている場所があったりと、地域の方との協調を感じました。コスモス畑の近くには、露地栽培用の圃場があります。
 
こちらはオクラです。
 
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オクラは既に終わってしまっていますが、夏は毎日カゴいっぱいに収穫されたとのことです。
 
次は、生姜の圃場です。
 
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高知県は生姜の生産量日本一!生姜は、そろそろ収穫が始まります。収穫時期は、親戚やご近所さん達がお手伝いしてみんなで収穫している光景を目にします。
 
次の圃場では、キャベツやブロッコリー、ハクサイを植えています。
 
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その次の圃場は、生薬の原料となるミシマサイコです。
 
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ミシマサイコは、根が漢方薬として使われるとのことで、解熱や消炎作用などがあるそうです。でも、近年では乱獲により絶滅危惧種に指定されているんだとか。
 
次は、実証ハウスを見学させていただきました。こちらは、今年完成した高軒高ハウスです。
 
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高知県内にある一般的なハウスは高軒2mですが、この新しい高軒高ハウスはなんと5.5mもあるんです!
 
この高軒高ハウスでは、最先端のオランダ式農業技術を取り入れていて、高収量のトマトの養液栽培を行っています。
 
こちらのハウスは、農業機械の技術研修用に設けられています。
 
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こちらは、研修用ハウスです。
 
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今季は、右から「高糖度トマト」「キュウリ」「ナス」を栽培しています。
 
では、まず「高糖度トマト」のハウスにお邪魔します。
 
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写真では、ちょっと分かりにくいと思いますが、研修用ハウスでは環境制御技術を整備しており、温度と湿度の状態によってミストが自動で噴射されるようになっています。
 
ここで、長期研修生を発見。
 
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この時は、「誘引」という作業中でした。誘引という作業は、ツルや茎を紐やクリップ(洗濯バサミ)で支柱に結びつけていく作業です。トマトなどの作物は、そのままだと地面に這うように成長しますが、誘引という作業をすることによって縦方向に成長を促すことができます。
 
そうすることで、作物の病気を予防したり、日光がまんべんなく当たるようになることで光合成を促し収量をアップさせたり、栽培管理しやすくなるといったメリットがあります。
 
『高知県立農業担い手育成センター』での研修について長期研修生に伺うと、「毎日楽しいです!」と即答で応えていただきました。お顔は隠しておりますが、とっても素敵な笑顔が印象的でしたよ。
 
女性も黙々と作業をされていました。
 
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ハウスでの作業は、実は男性よりも女性に向いていると言われています。ご夫婦でされている場合、奥様がハウスの管理を任されていることが多いようです。
 
こちらは、ハウス用の暖房設備です。
 
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高知と言えども冬はやはり寒く、地域や作物によってはこのような暖房設備を整えています。
 
では、今度は「キュウリ」のハウスを訪問。
 
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こちらのハウスでも、誘引の作業中の長期研修生にインタビューさせていただきました。
 
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「高知県は、全国の中でも日照時間が長く、農業をするのに非常に向いていると思います」と長期研修生さん。作物を育てる上で欠かせない日射量。収量にも大きな差が出てくるそうです。
 
では、そのお隣り「ナス」のハウスです。
 
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ナスのハウスでは、このように胡麻を植えています。ナスのハウスに胡麻って不思議な気がしますよね。実は、これにはちゃんとした理由があります。
 
高知県では、環境や人にやさしい農業を提唱しており、天敵を利用した病害虫の予防などを全国に先駆けて行っています。この胡麻は、ナスの害虫に対する天敵が好むものなんです。また、ハウス栽培では、受粉を促すために蜂を利用しています。
 
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さて、どのハウスにも入口には、このような靴の底を消毒するためのトレーが置いてあります。
 
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次は、ニラのハウスです。
 
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高知県は、ニラの栽培もさかんなんですよ。
 
ニラの向かいには、三色ピーマンのハウスがあります。
 
写真をうっかり取り忘れちゃったのですが、オレンジや黄色などカラフルな色合いで、味も甘みがあり、今じわじわ人気を集めている野菜だそうです。
 
次に案内していただいたのは、夏秋栽培のハウスです。
 
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こちらはシシトウのハウスです。
 
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次のハウスは甘長唐辛子。
 
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バーベキューの時に網で焼いて食べると、かなり美味しいですよ。
 
次は、米ナスです。
 
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一般的なナスはヘタが濃い紫色だったりしますが、米ナスはヘタが緑色なんです。高知県はナスの生産量全国一位ですが、米ナスの生産も盛んだそうです。
 
夏秋ハウスの隣には、最新設備を取り入れた2棟のハウスが立ち並び、シシトウとピーマンを栽培しています。
 
まずは、シシトウのハウスへ。
 
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ずらーっとシシトウが並んでいますが、どれも元気に育っていますね。
 
それにしても、こちらのシシトウハウスもそうですが、ハウスの中に入ってみて驚いたのは、すごくきれいにされているということです。
 
次は、ピーマンのハウスを訪問。
 
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左右のピーマンの背丈が異なるのは、定植時期が異なるからだそうです。見てください!緑が濃く、つやつやしたピーマンです。きれいですね~。
 
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ピーマンのハウスでは、先程の天敵利用のからみもあり、切った枝や葉はそのまま下に落としています。
 
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こちらでも、作業をしている東京からの長期研修生の方にインタビュー。
 
「いろんな地域をまわってみたが、高知は施設園芸では規模も設備もTOPを走っている。このセンターの設備もすごいです」とのこと。確かに、こちらでは、農業の先端技術や設備を目にすることができます。
 
そして、実証ハウスでの収量も県の目標値を超えたりなど、これから農業で生計を立てたいと考えている方には非常に学びの多い場所だと思います。
 
高知県立農業担い手育成センターでは、現在、6つの班に分かれて2週間ごとに各ハウスをまわりながら各品目の栽培実習をしています。
 
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実際にいろんな作物の栽培を体験することで自分のやりたい品目をじっくり検討することができます。
 
高知県での新規就農をお考えの方、ぜひ『高知県立農業担い手育成センター』で学んでみませんか?
 
■高知県立農業担い手育成センターの詳しい情報はこちらから
高知県立農業担い手育成センターホームページ
 
高知県では、高知で農業をしたいという方への相談窓口があります。ぜひ、お気軽にご相談してみてくださいね。
 
■高知県新規就農相談センター 高知県農業会議(就農コンシェルジュ)
 TEL:088-824-8555
 WEBサイトはこちらから⇒高知県農業会議(就農コンシェルジュ)ホームページ