今回訪問させていただいたのは、西古市町に新しくオープンした「みんなのくるまや」さん。
中古車販売・車検・修理全般などをしており、2018年4月に新しくオープンしました。
経営をしているのは、山木太輔(やまき たいすけ)さん、真未(まみ)さんご夫妻。
2014年に大阪府から須崎市へご家族で移住をされてきました。
山木さんは、大阪府在住のときからガソリンスタンドや自動車整備など車関係の事業所へ勤務。
その頃から「いつか自分のお店を開きたい」という思いがあったそうで、自分のお店を開くために、修業を兼ねていろいろなところへお勤めをされていたそうです。大阪時代にはタクシーやハイブリット車なども整備をしていたそうです。
高知県へ移住をしてからもガソリンスタンド・中古車販売店などの勤務を経て、今回「みんなのくるまや」を開業しました。
そんな車のことが大好きな山木さんですが、小さい頃はずっとピアノ一筋だったそうです!なぜ、この業界へ入ったのか理由を伺うと、
「大学生のときに初めてガソリンスタンドで働いたとき、ピアノ以外の新しい分野に触れて、その新しい世界が新鮮すぎてのめり込みました。その時の社員さんも、オイル交換からタイヤ交換まで親切に教えてくれて、身体を動かしてお金を稼ぐのが楽しいと感じ、それ以来この業界に携わっています。大学の先生からは「指怪我したらどうすんねん!」って言われましたけどね(笑)」と笑いながらお話をしてくれました。
みんなのくるまやさんは、「丁寧に、分かりやすく。女性にも優しいお店。」をコンセプトに運営をしています。
(メニューブックも温かみのある手作り♪)
「車業界の“ブラックボックス”をなくしたい」と山木さん。
「車に乗っている人は多くても、車については分からない事だらけの人が多いはず。女性はとくに多いと思います。プロが詳しく説明しなくても「あなたのためにやったから」と言って料金を請求するではなく、私たちは「ここはこういう必要がありましたがどうしますか?」と相談したり、分かりやすく写真を撮って説明をしたり、お客様が分からないままお金を払うという状況をなくしていきたいです。」
と、お話をしてくれました。
山木さんのお店では、お客様とのやり取りを密に、コミュニケーションを取りながら修理をするようにしており、携帯電話(スマートフォン)のカメラ機能を利用し、写真を撮って見せながらの説明もしています。
実際の写真を見ながら説明していただいたんですが、すごく分かりやすかったです!
最近はスマートフォンを利用している方が多いので、『LINE』や『メッセンジャー』などの連絡ツールも有効活用をしているとのこと。修理をやっているなかで、追加作業も出てくる場合もあるそうで、その部分を丁寧に説明するためにも利用しているそうです。
ご年配の方でスマホを持っていない方には、携帯を持って直接店に行くという徹底ぶり!
来られない場合も必ず対面での説明を心がけているそうです。
「これからも、お客様には「こうなっていました」という一連の作業を写真を見せながら一つずつ分けて、分かりやすくお伝えしていきたいです。」
お店を開こうと思ったきっかけについても聞いてみました。
「周りの声も多くあったことも一つですが、自分自身がどこに行っても納得して働けなかったということがありました。お客様に対する提案がないまま、「部品を替えろ」という指示をされたことがあり、会社に所属をしているので仕方のないことだと思うんですが、やはり納得がいかなくて。お客様にしたら、「きちんと直して欲しい」という人もいれば、「車が古いし買い替えることも考えているから、とりあえず動いてくれたらいい」という方もいらっしゃる。組織が大きくなればなるほどそういうやり方じゃないと回らない部分もあるから仕方のないことなんですけどね…。一人一人に時間をかけていたら怒られたこともありました(笑)けど、お客様からは「ここまで相談に乗ってくれる人がいなかった」と言っていただき、その後も何かあればよくお店にきていただきました。」
山木さんご自身が、こういう風に働きたいという理想を持っていたので、「その理想を貫くんやったら、自分でやるしかないやん!」と、奥様の真未さんの猛プッシュがあったんだとか!
真未さんは2~3年かけて山木さんを説得したそうで、「いけるって!」「大丈夫!」「店やってあかんかったら、またあかんかったときで考えよう!」という奥様のポジティブな部分にも後押しをされ、開業を決意したそうです。
山木さんご家族が移住を考え始めたのは、2014年のお正月くらいから。
高知県以外でも、自然が多い長野県も候補に挙がっていたそうですが、「海がない」というところが引っかかったとのこと。移住先を高知に決めたときにも、大阪へ帰るときのことを考え「真ん中より右側」で考えていたそうです。
海側を希望していたご夫妻は、海側の町のHPをいろいろと見ていたそうですが、移住関係の情報というのが当時は少なく、あっても内容が古かったり、更新が無かったりしたそうです。
そのときに、暮らすさきのHPもご覧になられたそうで「情報も新しいし、HPも見やすい。スタッフも女の人3人やし、絶対相談しやすい!」と思ったそうです。
どうして移住を考え始めたのかということも伺ってみました。
「大阪の生活も飽きたし、「そろそろ違う所に住んでみたいね~」という話になって、移住を考え始めました。大阪は買い物をしたり娯楽の種類も多いんですが、それなりに遊んだしもういいなって(笑)都会暮らしに飽きちゃったんですよね。お金がないと遊べないし、どこ行っても人も車も多いし、疲れたな~って。」
そんな山木さんご家族ですが、須崎に来て一番衝撃を受けたのは、やはり「食べ物」だそうです!
「大阪に居たときは、ほんと魚も冷凍か解凍のものしかなくて、地のものもあんまりなかったです。たまに生のお魚とかもスーパーにあったりするんですが、高い(笑)それに比べ、須崎は魚も含め何でも美味しいし安い!大阪に居たときと比べると値段も全然違う!食費革命が起こりました(笑)高知は本当に食が豊かで、ありがたいです。大阪とはレベルが違う!!」
と、真未さんがお話をしてくれました。
真未さんに須崎の良さや魅力、不満な部分もあるのか聞いてみました!
「須崎には美味しい食材があるし、人との距離がすごく近いし親切です。距離が近いというところに苦は感じなかったんですが、私たちからすると「こんなにもスッと受け入れてくれるんだ!」と、ちょっと衝撃でした(笑)大阪に居るときよりも知り合いも多いし友達も増えました。ご近所付き合いの“壁”みたいなものがあるのかなとも思っていたんですが、そんなのはおかまいなしで(笑)いきなり魚や野菜を持って来てくれたりしてくれて、すごく嬉しかったです。不満な部分というと、今の場所に住む前は浦ノ内地区に居たんですが、私自身が車の免許を持っていないので、バスが通ってたらよかったのにって(笑)あとは、汽車賃の高さにもビックリしました!仕方のないことなんですが、すごく衝撃を受けましたし、本数の少なさにもビックリしました(笑)その部分では未だに大阪の感覚が抜けず、サッと出かけようと思ったら「あ!電車の時間調べな!」ってなったりもしてます(笑)そういうこともあり、こっちに来てからは汽車に乗る事も減って、基本車での移動になりました。」
移住するに辺り、就業の面で不安はあったのかを伺ってみると、
「不安はあまりなかったです。僕自身は移住前に就業先を見つけて移住したんですが、自分には合わなかったのですぐに別の仕事に移りましたし…(笑)妻にはビックリされましたが、次の職場もすぐに見つかりましたし、ほんと選ばなければなんでもあります。」と山木さん。
真未さんに当時のことを聞いてみると、
「ほんと辞めて帰って来たときはビックリしましたが、自分自身が逆境に燃えるタイプでもあったので、給料が低くなっても締めるとこ締めたらなんとかなるし、「なんとかしたろう!!」と思って頑張りました。そういうのもあって夫には「何とかなるから自分で店出しや!あかんかったら店閉めて新しい仕事探したらいいやん!とりあえずやってみよう!」ってことも言えたんだと思います。夫は結構気にするタイプなので、あまりにも言い過ぎて怒られちゃいましたけどね(笑)」
と、笑いながらお話をしてくれました。
最後に、移住を考えている方や起業を考えている方に向けてメッセージをいただきました!
「起業に関して言えば、須崎は大阪に比べて自分の好きなことをできる環境です。大阪だと家賃とさらに店舗代がかかるので、普通の人ではなかなかお店も開けません。ですが、自分の好きなことを仕事にするのであれば、高知は大阪に比べてハードルが低く感じます。業種にもよるけど、都会と比べるとあまりお金はかからないと思います。今後、どこかに移住を考えて迷っている方は、「これからをどういう風に生きたいか」ということを考えていったらいいと思います。仕事をバリバリしたいというのであれば、今のままの方が良いと思うし、自然が多い所で一度住んでみたいというのであれば、今のままの方が良いと思うし、自然が多い所で一度住んでみたいというのであれば、思った“今”行動してみてはどうでしょうか。「こういうところに住んでみたいな」とパッと思い浮かぶところがあるのであれば、実際行ってみることが大切だと思います。思ってばかりだと、いつかその思いも沈んでしまいます。今気になるのであれば、とりあえず1泊だけでも行って様子を見て来てください。考えることももちろん大事ですが、行ってみてダメだった場合は帰ってくればいいんです。仕事の面で不安な部分もあるとは思いますが、選ばなければなんでもあります(笑)「この仕事しかやりたくない、無理」というのがあれば厳しくはなってしまいますが…。働きながら自分の希望に合う仕事を見つけるというのもいいと思います。最初からガチガチに決めていくのではなく、とりあえず行ってみて働いてみて、そこからまたゆっくり考えていってもいいと思いますよ。最初から完璧を目指さず、とりあえず引っ越す!(笑)移住すると決めても、ずっとその場所で住まないといけないというわけでもありませんし、自分に合わなければ別のところを考えたり、もとの所へ帰ってもいいというぐらいの気持ちで行ってみてください。フットワークを軽くするということも大事ですよ!」
山木さんご夫妻、いろいろなお話を聞かせていただきありがとうございました!
みんなのくるまやさんの詳しい詳細はぜひ「ポケットすさき」をご覧ください!
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