今回は 株式会社けんかま を取材!
代表取締役社長 市川 隆弘(いちかわ たかひろ)さんにお話を伺いました!
●「株式会社けんかま」は小さな個人商店のあつまりからスタート!
株式会社けんかまは、須崎市内にあった22社の個人商店が1961年(昭和36)9月1日に企業が合同してできた会社で、創業当初【株式会社須崎かまぼこ】という社名でした。
企業同士が合同をするというと『協同組合』という形にすることが多い時代だったそうですが、『株式会社』にしたことはその当時としては大胆な考え方だったようです。
個々の商店が22社も集まっていたこともあり、合同の際には衝突や一時分裂した方も居たそうですが、その後残ったメンバーで継続。『株式会社高知県かまぼこ』という社名を経て、現在の『株式会社けんかま』になりました。
現在の本社は須崎市の道の駅かわうその里すさきの近くにありますが、創業当初は魚市場近くに工場があり、大間東町(現在のモスバーガー辺り)に工場を一度移しましたが、老朽化がきっかけで現在の場所に移転してきました。
現在の場所に移る際に『1日遊んでもらおう!』をコンセプトに掲げ、かまぼこをより一層知ってもらいたい、『かまぼこ』という商品を皆さんに広く知ってもらいたい、という思いのもと、工場見学や製造体験、食堂、お土産売り場も整備されました。
●須崎で【かまぼこ】を製造するようになった理由
市川さんのご実家はもともと『漁師』で、かまぼこの製造を始めたのはご親戚の方だったそうです。
「須崎は昔から魚が美味しい街で、底引き網で獲れる魚の種類も豊富でした。その当時は【魚をさばく会社】【魚を加工する会社】など、当時は様々な役割を持った会社も多かったのですが、時代が流れるにつれ、すり身で使用される『雑魚(ざつぎょ)』を処理する人も居なくなってしまいました。昭和36年頃から【冷凍すり身】が普及し、かまぼこの主な原材料である『スケソウダラ(標準和名:スケトウダラ)』という魚が北海道で獲れはじめたことにより、企業が合同してできたと聞いています。その当時は氷を積んで北海道から貨物列車に乗って来ていたそうですが、ここに来る頃には氷が半分しか残っていなかったそうですよ。」
●かまぼこの種類に驚愕!
けんかまで製造している商品は高知のソウルフードである『ちくわ』や『すまき』をはじめ、年末年始などの限定商品を含めると、なんと120~130種類もあるそうです!!
昔は180種類ほどと現在より多い種類を製造されていたというから驚きです。
現在、けんかまで一番の主力商品は『ちくわ』で、県外から来るお客様も手に取る商品となっています。
県外のメーカーが生産しているちくわは両端が1cmほど焼かれていないものが主流ですが、高知県内のメーカーが作るものは全てが『全面焼き』になっています。
また、ちくわの穴も県外は1.2cmに対し、高知県内は1.6cmと太いのも特徴的。
テレビなどの取材でも取り上げられている「丸ごとキュウリが入ったちくわ」は、高知のちくわは入って当たり前で、けんかまのちくわだと直径2.2cmまでのキュウリなら丸ごと入ってしまうそうですよ!
また、製造を中止していた商品の中で、2022年に復活した商品もあります。
それは「ねぎちくわ」という商品。
大間に工場があるときに作られていたこのちくわは爆発的なヒットとなりました。当時は角谷(かどや)という地域で栽培されていたネギを使用していましたが、ネギ自体の生産量も少なく、「角谷」ということをうたっていたこともあり製造が中止されました。
現在は高知県産のネギを使用し、期間限定(春頃)にスーパーなどで販売されています。普通のちくわと違い、肉厚でプリプリなこのちくわは、酒の肴に持ってこい!な商品ですので、皆さんお楽しみに♪
●若い人へ『練り物文化』を継承
──今後どのような会社に成長していきたいですか?
「現在、企業の高齢化が進んでおり、当社の平均年齢は60歳代と非常に高くなっています。年齢層の高い方に頑張っていただいていますが、若い人から見たら製造業には『華やかさ』は無いと思いますし、『3K(きつい・汚い・危険)』というイメージが強く残っているかもしれません。ですが、事業を継承するためには若い人に入社してもらい、練り物文化を継承してもらうことも必要です。それが実現できるよう、これから考えていきたいと思います。」
●最後に!
──最後に起業のPRをどうぞ!
「消費者に向けて選んでいただける商品づくりや、【安心・安全・美味しい】というのは当たり前ではありますが、企業理念を含めてお客様にそれをどう訴えて理解してもらうのかというところも大切だと思っています。
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