今回は【集落活動センターあわ】を取材!
会長の 津野 文彦(つの ふみひこ)さん と支援員の 森さん にお話を伺いました!
●『集落活動センターあわ』とは?
「集落活動センター」とは、地域に住む人たちが主体となって、集会所などを拠点にして地域の課題やニーズに応じて生活や福祉、産業、防災といった様々な活動を取り組む仕組みです。
高知県内では現在66か所が開設されており、それぞれの地域で活動が行われています。
安和地区は現在約320世帯、670人ほどの方が暮らしています。(2024年3月末時点)
少子化になって保育園と小学校の統廃合が持ち上がったことをきっかけに、これまで個別に活動していた小学校PTAや住民会議、保育園保護者会などが再構成され、地域の様々な課題を解決するため、地域住民自身が主体となって活動するために集落活動センターあわは、2018年4月に設立・開所されました。
現在は部会活動を中心に、地域コミュニティの活性化や課題解決に向けた様々な活動が実施されています。
●さまざまな内容の【部会活動】
集落活動センターあわには5つの部会があります。
≪教育協働部会≫
学校や保育園を地域住民で盛り上げる活動を推進するため、学校運営協議会をはじめとする組織で、地域との共同した取り組みを支援。多様な地域活動や読み聞かせボランティア、放課後こども教室の運営などが行われています。
≪特産品部会≫
地域の特産品を加工した “黒ニンニク” や “はちみつ”、“ふるさと納税の野菜の出荷” のほか、耕作放棄地を活用して “モリンガ” や “バタフライピー” などを栽培し、流通販路の拡大や商品開発にも積極的に取り組んでいます。
≪移住促進部会≫
安和地区の空き家状況を調査し、移住者が利用できるように家主と交渉をしたりしています。また、安和地区には移住者も多いので交流会の開催もしています。
≪観光交流部会≫
現在就航している『観光おもてなし列車』を歓迎する“おもてなし部隊”が編成されているほか、地域住民と観光客が楽しめるイベントなどの開催をしています。
≪ハッピーライフ部会≫
互いに見守り支えあう地域づくりを目指して、“あったかふれあいセンターあわ” を開設し、布ぞうり作りや100歳体操などに取り組んでいます。
──それぞれの部会はどのように動いているのでしょうか?
(津野)「それぞれの担当はありますが、固定しているというわけではありません。各部会の班長は総会で決定されますが、総会で方針を決め計画的に事業を行っているので、センターと話を詰めてお手伝いできる人に声をかけています。また、事業は地域の方に声をかけて活動を行っていますので、安和地域の住民の方に向けた『双子島TiMES』という広報誌を発行し、そういったものも使用しながら呼びかけを行っています。」
●地域の方が作ったものも販売!
集落活動センターあわでは物販にも力を入れています。
『布ぞうり』は1足1足が手作りで、生地や柄も様々!布なので丸洗いももちろんOK!
『お地蔵さん』の人形も一つ一つが丁寧に作られており、表情もそれぞれ違うのもかわいいです♪
また、須崎総合高校の生徒と商品開発を行った『琥珀糖』は特産品部会が栽培した“バタフライピー”が使用されています。
キラキラとした琥珀糖は宝石のよう。ちょっとしたお土産にもオススメ!
これらの商品はイベントでの販売はもちろん、“観光おもてなし列車” が停車する際に販売されています。
観光列車が発着する時間帯に行けば一般の方でも購入できるほか、事務所での購入も可能です。
●安和の魅力を発信!地域も人も元気に!【集落活動支援員】の役割り
集落活動センターあわには現在2名の『支援員』の方が在籍しています。
──支援員の方はどんな仕事をされていますか?
(森)「安和地区の魅力の発信や、地域を元気にしていく活動のサポートをしています。安和地区で実施されているイベントや提案された事業について形にしていくお手伝いなど、内容は様々です。そのほか、安和の生産者の方々がセンターでふるさと納税の発送作業を行っているのでそのお手伝いをしたり、センターの経理関係や、県や市の担当部署との交渉の窓口などの業務を分担しています。」
──「元気になるようなこと」はどんなことですか?
(津野)「世代間交流が目的のイベントもそうですが、やり始めた当初は地域の高齢者のためのことでした。高齢者の収入は年金が主になっていますが、ここで産品を作って販売をすると少しでもお小遣いになりますし、それを孫のために使ったり買い物に使ったりすることができます。それが生きがいにも繋がるというところもあり、商品開発や販売を行っています。ふるさと納税の野菜の出荷も“元気になるようなこと”の一環です。」
──たくさん部会がありますが、その活動にも関わっていますか?
(森)「直近であったことでいうと、観光交流部会の『紫陽花ウォーキング』や移住促進部会の『移住者交流会』は支援員も携わることができ、事前準備や当日の手伝いをさせていただきました。部会の活動に関しては全てではありませんが、参加できるタイミングがあれば参加しています。」
●終わらせないためのお手伝い
──「支援員」の仕事の楽しい所ややりがいはどんなところですか?
(森)「活動のサポートをすることで『助かったよ』『楽しかったよ』と言われたりするときがあって、そういったときにこの仕事をしていてよかったなと思います。移動スーパーの誘致についてもサポートをさせていただきました。」
(津野)「高速道路が抜けた関係で、安和地区はほとんど車も通らなくなり、コンビニや産直市も撤退するなど商業施設の閉店が相次ぎました。今現在残っているのは鮮魚店と八百屋くらいです。車を運転できる方は良いんですが、そうじゃない方は移動販売を頼るしかありません。ポツポツと移動販売で入ってくれていた業者は居たものの、なんだかすっきりとしなかったんです。そこで、センターが音頭を取って週1回サンプラザの移動スーパーが来ていただけるようになったのですが、運転する人材が不足し来ることができなくなってしまいました。今はフジの移動スーパーに来ていただけるようになったので、安心しています。」
(森)「こういったことは終わったら終わりっぱなしということがよくあると思うんですが、終わらせないよう継続に繋げるお手伝いができたと思うと、すごく嬉しいです。」
●さまざまなことに対応できるよう日々勉強!
──逆に大変だと思うところはどんなところですか?
(森)「『これ』というものが決まっていないところですね。総合的な窓口になっているため、できる・できない関わらず、幅広く知っていないと話をすることもできません。安和の魅力を発信していくにも、まずは深く知ることが大切だなと感じています。」
──地域住民以外も訪ねてきますか?
(森)「本数は少ないのですが、昼にJRの列車が停まるので、下車する観光客の方が道などを尋ねて来られることもあります。春はお遍路さんなども多いですね。南側のテラスにはポットを置いて、誰でも利用ができる休憩場所を提供しているので、そこを利用される方も多いです。たまにお弁当を持ってきておしゃべりを楽しんで帰られる方もいますし、センターが開いているときはコーヒーも有料で提供をしているので、午後のティータイムを楽しんで帰る方もいらっしゃいます。」
●集落活動センターとしてこれから目指す場所
──今後どんな場所を目指して行きたいですか?
(津野)「集落活動センターが発足する前は保育園や小学校の統合問題・廃園の危機がありました。抗議をするだけでは現実的に生徒の数や子どもの数が減ったら物理的に廃止せざるを得ない状況になりますが、それを少しでも先に延ばすために、移住促進や若者の定住など、それに繋がるような施策を行政だけでなく、センター側でもできることをやっていこうと、空き家の掘り起こしなどをはじめ、地域の人が対応できることは対応しています。他にも色々とやりたい事業はありますが、マンパワー不足な部分があるのが現状です。耕作放棄地や果樹園などもありますが、人手がいないため手を入れることができません。人がいれば法人化をして事業を行える可能性もゼロではないと思いますが、動ける人がいないのがもどかしいところです。ですが、少しでも安和地区をよくするために、今後も活動を続けていきたいと思います。」
お忙しいなか、ご対応いただきありがとうございました!
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