今回は2020年2月に新しくオープンした美容室【hair salon tsukinoiro(ヘアーサロン ツキノイロ)】を取材させていただきました!
サロンを経営しているご夫婦は共に高知県出身。
お二人とも同じ大阪の美容専門学校へ進学し、ご主人の溝渕真太郎さんは大阪の美容室で14年間、奥様の直子さんは12年間勤務されていました。
●喜んで帰ってもらえる美容室に
子どもとの時間を大切にするために『自宅兼店舗』という形で開業した【hair salon tsukinoiro】。店舗名の由来はお子様の名前から取られたそうです。
「子どもの名前に“月”が入っていて、それを入れようと思って色々と考えていました。いろんな文字を当てはめていくうちに“色”がピッタリだなって。“色”という言葉はカラーやお客様個々の色など、美容室でも頻繁に使う言葉だなと思い、『tsukinoiro』に決めました。」
(木のぬくもりで溢れている店舗です)
tsukinoiroのコンセプトは『きれいになって喜んで帰っていただく』とのこと。
「ヘアデザインもそうなんですが、髪の毛のケアも大事にしつつ、きれいになって帰ってもらうというのを一番に置いて、これから頑張っていきます!」
●子どもとの時間を大切にするために
大阪のサロンでお勤めになられていたお二人。高知に戻ろうと思ったのはお子様が生まれたことがきっかけだったそうです。
「12年間、同じサロンで働いていたんですが出産を機に退職しました。大阪にいるんだろうな、と私は思っていたんですが、主人の強い希望もあり高知へ帰ってきました。」とお話をしてくれた直子さん。
真太郎さんにも理由を伺ってみました!
「子育てをするにも、大阪だと自分たちしかいないし、自分自身が朝早くから夜遅くまで働くという生活をしていたので、子どもと一緒に居られるのが奥さんだけだったんです。それに、今は改善しつつありますが、美容師という仕事は給料が低かったり有給もなかったりと待遇もあまり良くなくて。そんな状態では家族を養っていくことはできないし、仕事をしていても仕方ないなと思って、高知に帰ることを決めました。」
●美容師ってどんな仕事だと思います??
美容師になりたい!と進路を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方のために、真太郎さんと直子さんに「美容師を志したきっかけ」と「美容師になる方法」についても伺ってみました!
◇美容師を志したきっかけは??
真太郎さん:「自分たちが学生の頃はちょうど『美容師ブーム』で、『カリスマ美容師』なんかがよく話題に上がっていた時代だったんですよね(笑)クラスの中でも美容学校に行く子も多くて、同じ高校から同じ美容学校に進学した人が5~6人居たくらい美容師という職業は人気でした。自分自身、モノづくりや手を動かすことが好きで、美容師の世界も楽しそうだなって思って、たしか高校2年生くらいに進路を決めましたね。」
直子さん:「高校はインテリア科だったので、『インテリア関係の仕事』か『家具職人』か『大工』かというところで考えてました。子どものころの夢は大工だったんですよ(笑)でも実際のところ、こういう職業は女では厳しい世界なんだなと思って諦めたんです。けど、事務職とかは苦手だし、手に職をつけて何かやりたいっていうのは自分の中にあって。昔から髪を触ったり弄ったりするのが好きだったので、『今更だけど美容師になれるよう頑張ってみようかな』と思って専門学校に入学しました。」
◇美容師になるにはどうしたらいいの?
直子さん:「人間観察とか人が好きという人じゃないとなれない仕事ですね。」
真太郎さん:「言い方は悪くなっちゃいますが、専門学校に行って国家資格を取得すればなれます(笑)でも、専門学校は基本的なことしかやらないので、就職してからが一番大事になってきますね。就職先は本当に慎重に選んだ方がいいと思いますし、就職先によってその先が変わってくる人も少なからず居ます。美容師という職業はパッと見た感じでは華やかな世界に見えて、自分もいいなと思って飛び込みましたが、実際に入ってみると結構しんどい世界です。本当に好きじゃないと続かないなと思う仕事ではありますが、その中でどうやって楽しみ方を見出していけるかがポイントだと思います。」
直子さん:「学校を卒業してもすぐにスタイリストになれるというわけではなく、アシスタントからスタートする職場がほとんどです。アシスタント時代はシャンプーばかりで手荒れする子がほとんどで、それが嫌になって辞める子もいれば、ドクターストップがかかって辞める子、下積みが長すぎて挫折して辞めてしまう子も多いですね。」
真太郎さん:「僕の友人でも続けている子はあまり多くなくて、辞めて行く人が多い職業ではありますが、それを乗り越えないと何も始まらないし、見えてもこないと僕は思います。」
色々とお話を聞いていると、アシスタント期間は店によってさまざまなようです!
真太郎さんは1年目から、直子さんの職場は下積み期間が長い職場だったようで4年目からスタイリストデビューをしたそうです。
スタイリストデビューをするのも就職先次第だそうで、平均すると3~4年ほどとのこと。
アシスタント期間中はお店の開店前や閉店後、はたまた両方の時間を使っての自主練習や、休みの日はモデル探しやチラシ配りなどされていたそうです。
これも店によって違いが出てくるとお話していただきました。
●周りの人の力
溝渕さんご夫婦が独立・開業するにあたり、周りの人の力がとても大きかったそうです!
真太郎さん:「独立するとき、周りの人の力がすごく大きかったです。実はこの店舗兼住宅も、大阪に居たときのお客様が設計士の方で『やってあげるよ。』と言われたのでお願いしました。他にも、高知に帰ってきてから美容の現場から一旦離れていたということもあり、知り合いのディーラーが高知にいなかったんです。大阪の友人にディーラーをやっている人がいたので連絡を取って、今どんなものが流行っているかなどアドバイスももらっていました。開業してからも保護者同士の繋がりや、友人が須崎の同級生の輪に入れてくれて人脈を広げる手伝いもしてくれたり、本当に周りの人に助けられているなと思いましたし、人との繋がりが大事だなと改めて実感しています。」
●美容師という仕事のやりがい
この仕事のやりがいについても聞いてみました!
真太郎さん:「色んな人と繋がれますし、直接お客様が喜んでくれている姿を見れることですかね。自分が納得していないものはお客様も納得してくれませんし、僕を頼りにしてくれている方もいらっしゃるので、そういうときはやりがいを感じますね。」
直子さん:「キレイになった姿を喜んでくれるのが一番うれしいですし、主人も言いましたけどその姿を見れることにやりがいを感じますね。出産・育児があったりして、私自信も5年間くらいのブランクがあるんですが、久しぶりに美容師をしてみてもやっぱり楽しいですし、美容師という仕事が好きなんだなって改めて思っています。」
●とにかく、やるしかない!!
溝渕さんご夫婦が、これからどんなことに挑戦していきたいか聞いてみました!
真太郎さん:「須崎市にも多くの美容室があるので、せっかくだったら周りと違うことをしていきたいと思っています。僕たちはお客様を高知まで連れてきているというわけではなく、ゼロからのスタートなので、全てにおいて挑戦です。やってみないと本当に分かりませんし、この1年がどうなるか、まさに挑戦です。とにかく、やるしかない!って思っています。」
お話を伺っていると、美容室だけでは終わらないことも考えているそうです!
真太郎さん:「美容室としての機能だけでなく、この美容室を使って『陶芸体験』なんかもやってみたいなって思っています。友人から『陶芸教室をこの美容室でやっても面白いよね』って言われて、初めて『そういうこともできるんだ!』と思ったんです。お店としてはもちろんなんですが、人が集まれるような場所になってもらえたらいいなって。イベントをやることでお客様が喜んでくれたら嬉しいですし、ここに来たことのない人もきてくれてもいいなと思っていて。人が集まれば何かは生まれるので、お店の活動+集えるような活動ができたらきっと楽しいだろうなって思ってます。」
●これから美容師になろうと思っている方へ
この記事を読んでくれている(かもしれない)未来の美容師志望の方に向けてメッセージをいただきました!
「美容師という仕事は大変な職業ではありますが、“やりたい”と思うのなら、やり続けることが大事です。あと、人を大事にしてください。接客でお客様と触れ合うという仕事なので、人を大事にして来なかった人間にはそういうのがお客様にどことなく伝わってしまいます。技術も大切ですが、技術にもベースラインというものがあるので、そこまで大差は出てきません。美容師という仕事は“お店につく”というより“人につく”とお客様からもよく言われます。『あなたが辞めるなら、もう来ない』と言われるような世界なんです。人を大事にしなかったら、いつかそれが自分に返ってきます。今でも自分自身に言い聞かせていることです。大変な業界ですけど、これから目指す方は負けずに頑張ってくださいね!」
ご協力いただき、ありがとうございました!
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