今回は須崎で人気の雑貨店【川村雑貨店】の『川村ひとみさん』を取材させていただきました!
 

 
須崎市赤崎町にある川村塗料の2階に【川村雑貨店】があります。
 

 
一見、普通のお家の玄関に見えるこちらが、店舗の入り口となっています。
初めて来店する方はちょっとドキドキするかもしれないですね!
 
●県内外の作家の作品と出会える【川村雑貨店】
川村雑貨店は2012年12月21日に川村塗料の2階にオープンしました。
川村雑貨店は普通の雑貨店とは少し違い、県内外の作家さんの作品を展示販売しているお店です。
 

 
「川村雑貨店は『商品を売る』場所というよりは『出会う』場所だと思います。お気に入りの作品や商品に出合ったり、作品を通して作家さんとお客さま同士の共通の会話が生まれ自然と繋がっていく、そんなふうに人と人が出会う場所にもなっていると思います。普通は販売して完結のことが多いですが、商品を手にしてもらってからが始まりで、作家さんによっても異なりますが、メンテナンスや修理など必要に応じてお気軽に相談してほしいです。そうやって作り手が大切に作ったものを、メンテナンスなどをしながら長く使っていただくことで、愛着も沸き、日々に寄り添うアイテムの一つとなってもらえると嬉しいです。常設でお取り扱いさせていただいている作家さんなどにも個展を開催していただいているので、作家さんが在廊されることもありますし、作り手の話や作品についてお気軽にお声掛けしてください。」
 

 

 
●お店を始めたきっかけ
『作家さんの作品を取り扱う』という珍しいスタイルのお店の川村雑貨店。なぜそのようなスタイルになったのでしょうか?
「店を始める前、私は1階の川村塗料で看板の仕事などをしていました。生活の変化があり店舗の2階の部屋が空いたことで両親から『2階のスペースも活用して1円でも稼ぐ場所に。』と打診されたことが川村雑貨店を始めるきっかけとなりました。店は川村塗料の『雑貨部門』という形なので、開店資金があり運営していくということではなかったので、仕入れ中心の店は難しいとなりました。そこで、自分たちには何ができるのかを考え、今の川村雑貨店の形態だったらまず無理せず始められるんじゃないかと思い、その時その時で出来ることを実行に移し、今までやって来ました。もしうどんを打つのが得意だったらおうどん屋さんをしていたかもしれないですし、野菜作りが得意だったら野菜を販売していたと思います。今までお店を続けてきた実感として“自分に向いていることしか出来ない”という気持ちが年々強まって来ています。」
と、笑いながらお話をしてくれた川村さん。
 
作家さんの作品を置こうと思ったのも、作家でもあるご主人の「かわぞえうどう」さんの存在があったからだそうです。
 

 
「20年以上前から夫は物作りを続けていて、一緒に作家もののイベントに出店したりしていました。その頃は今ほど手作りイベントがなかったので、そこで知り合った作り手の友人も多くいます。お店をしようと考え始めてから繋がりのある作家さんに少しずつ相談させてもらい、まだどうなっていくか分からない状態の店に快く作品を預けてもらえたことは今でも感謝の気持ちでいっぱいです。そして、少しずつですが店内の作品も増えてきて、個展や企画展を始めたころから作家さんがまたお知り合いの作家さんを紹介してくれたりし、今では20名以上、1,000点を超える商品を取り扱いさせていただいています。」
 
●雑貨店の開店日を決めたのはまさかの『前日の夜9時』!
雑貨店を開くに辺り、大変だったこと、苦労したことを伺うと「とくにないです。」と川村さん。
「お店をいつオープンしようかと思いながらしばらく過ごしていたので、“もう考えるより実行!”と思い、“明日オープンする!!!”と決めたので『開店』当日に向けて前もって準備をしたわけではないので、とくに苦労はなかったです。知人には『雑貨店をするのでお願いね。』と以前から話はしていたのですが、20日の夜9時過ぎに『明日オープンしよう。』と伝え、名前もその日に決まりました。オープンにあたりの準備期間はFacebook開設までの3時間で、次の日のオープン当日はFacebookを見た友人がお花を持ってきてくれたりしたのですが、そんな中、預かった商品を壁に並べたりその日から準備を始めたので、本当に何もない店内がオープン初日の状態でしたね。そんな始まりだったので、最初の頃は1ヶ月で3,000円くらい売上があったら『今月お客さんが来てくれたんだなぁ。ありがたいねぇ。』と家族で話したことでした。」
 
●企画展をきっかけに
運営をするに辺り、雑貨店に力を入れようと思ったきっかけがあったそうで、そのことについてもお話を伺いました。
「雑貨店を始めて一年目は、県内のイベントに出店して店舗の案内をさせてもらったりしていました。それでもまだまだ足を運んでいただけるお客様の人数は少なくて、このままお店を続けていけるのか不安もあり一年を過ぎた頃、手探りで企画展や個展を始めたことをきっかけに、お店に対する気持ちにも少しずつ変化が表れてきました。個展や企画展は常設と違って、作家さんの想いがよりギュッと詰まっていて期間も決まっているので、より多くのお客様に会期中に見てほしいという気持ちが大きくなり『この場所でもっと頑張ろう。』と素直にスイッチが入りました。そこから7年くらい経ちますが、最近では“ここでしか働けないかも”という気持ちで運営しています。」
 
現在、川村雑貨店では常設のお部屋と合わせて毎月ごとに企画展を開催。展示スペースは2部屋あり、各それぞれに違った展示が開催される月もあるそうで、年間12~14回は開催しているそうです。
 

 

 
企画展はリピーターの作家さんも多くいらっしゃるそうですが、「同じものはほとんど出てこないので、全然違った作品が観れるのも楽しさの一つです。」と川村さん。
展示を開催した作家さんが知り合いの作家さんに声をかけ、コラボレーション作品を中心とした企画展を開催したりと、個展とはまた違った世界の広がりが出てきたそうです。
また、作家さんの県内外の比率はちょうど半々。
「気になる作家さんには積極的に自分から声掛けできないのですが、人気の作家さんのポップアップなどはお客様や作家さんが繋いでくれた『縁』で、そのご縁が確かに繋がって、いろいろな素敵な展示を開催させてもらえていることは本当にありがたいことです。」
とお話してくれました。
 
●美味しい手作りお菓子も販売!
川村雑貨店には雑貨だけでなく、元ケーキ屋さんのうどうさんのお母さんが作るおやつも販売しています!!
「母は元ケーキ屋さんで、おいしく素材にもこだわったものを使っています。お菓子専門店ではないので、自分たちが『ちょっと贅沢なお茶の時間』に食べたい焼き菓子を作っています。前もってお問合せいただけたら箱詰めなども承りますので、贈り物に選んでもらえると嬉しいです。」
 
人気商品のひとつ、川村さんのオススメでもある「さくさくバタークッキー」の顔は、くり抜いた生地にかわぞえうどうさんが表情を1枚1枚丁寧に描いているとのこと!
なので、一日で出来るのが24枚ほどで、ご予約いただけたら100枚くらいまでは焼けるそうです!
他にも『フルーツパウンドケーキ』や『くるみのクッキー』『米粉クッキー』と材料にこだわったお菓子が並んでいます。
 

 
また、フルーツパウンドケーキはリピーターさんも多く、干しぶどうが苦手な方でもこれを食べて好きになったといってくれる人もいるほど美味しく、人気の商品だそうです!
 

 
●出会えていない方々にたくさん出会わせてくれた場所
お店を始めてよかったこと、これから挑戦したいことをお伺いしました!
「お店を始めてから男女問わず、幅広い世代のお客様や作家さん方との嬉しい出会いがありました。30代前半までは1階の川村塗料の仕事をしていたのですが、その間には出会えなかったばかりなので、もしかすると川村雑貨店がなければ今後もご縁が繋がらなかったかもしれないと思う本当に大切な出会いや出来事がたくさんあります。このお店が『人に来てもらえる場所』になったからこそ繋がったご縁に感謝しかないです。人と人との繋がりで今の川村雑貨店があります。今後挑戦していこうと思っていることは、お店を始める前から“物を作って売る”ということを夫婦でしていたのですが、改めて『自社製造・自社販売』を目標に、今後は自社の商品開発にも力を入れてやっていきたいと思っています。何より自分たちが楽しみながらできることをこれからも発信していきたいです。」
 
●これから起業する方へ
起業を考えている方へメッセージをいただきました!
「私は、きちんと計画を立てたり予測したりといった明確な経営方針もお店のイメージも何もない状態からの始まりでしたので、目の前の毎日を自分にできるひとつひとつのことを丁寧にやっていくというやり方が一番合っていました。お客さまや作家さんにアドバイスをいただきながらも、なかなか実行できないことも多くありましたが、お話を聞かせてもらったり、いただいた繋がりの中で得たものも多く、勉強させてもらえたことが今日へと続いています。みなさんに気にかけてもらって今までお店を続けてこられたことへの感謝の気持ちを、これからもこの場所で反映していけたらと思っています。私にとっての起業は『こうしよう!と思ったことを考える前に実行し続けること』です。これから起業を検討している方それぞれ、ご自身に合ったやり方があると思いますので、無理なく続けていける形を見つけてください。」
 
●さいごに
店主の川村さんに最後に一言いただきました!
 

 
「毎月展示も入れ替わり、ここでしか出会えない作品があるので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。」
 
お忙しい中ご対応いただき、ありがとうございました!
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