今回は ポッポ介護タクシー の取材に行ってきました!

 
ポッポ介護タクシーは2022年3月24日に開業。
「既存の制度だけでは対応できない『隙間』を支援します!」をコンセプトに有資格者の女性スタッフが中心となり、須崎市内外で活動をされています。
ポッポ介護タクシーの代表、堅田 佐知子(かたた さちこ)さんにお話を伺いました!
 
●「介護タクシー」以外でも相談できます!
ポッポ介護タクシーではその名前の通り「介護タクシー」業務を行っていますが、それだけではありません。
通院の送迎はもちろんですが、病院への受診の付き添いもできるのが強み!
買い物の付き添いも行っていて『利用者の好きなところへ行く』というのも他の介護タクシーとは少し違うところ。「病院のあとに買い物に行きたい」という高齢者の利用も多いそうです。
運輸局に高知県内での運行を申請しているので活動範囲は広く、中土佐町・津野町・須崎市にお住まいの方であれば対象者に配布している【タクシーチケット】を利用することもできます。
また、掃除や洗濯・食事の支度などの依頼をすることもできるほか、堅田さんは須崎市の【ファミリーサポートセンターすさき】の会員なので、急な保育園のお迎えや塾の送迎が必要な子育て世代の方も相談でき、女性ならではの細かい配慮があるという点も「ポッポ介護タクシー」の魅力の一つです!
 
●「託児所・宅老所をしたい」という想いから様々な資格に挑戦!
今回お話を伺った堅田さんはすごい経歴の持ち主!
タクシーを運転するのに必要な“普通第2種免許”以外にも、保育士・幼稚園教諭・調理師・介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・介護支援専門員など複数の資格を持っています。
ご自身は5年間、保育士として保育園に勤務されていましたが、ある日「どうして自分の子どもを預けて他の人の子どもを見ているんだろう」と考え、園を退職。
その後、病院から「託児所を始めるからきてくれないだろうか」という話があったそうですが、「自分でした方がいい!」と思い、約3か月後に「ポッポ」という託児所を開業され15年間運営してきました。「子育てが終わったら次は親の介護だろう」と次のステップについて考えていたところ、「託児所・宅老所をしたい」と思い専門学校に入学され資格取得に向けて勉強に励んだそうです。

 
「資格を取っていきなりの開業は難しいと思うくらい高齢者の勉強が大変やったんです。」とお話をしてくれた堅田さん。
老人ホームや特別養護老人ホームへも勉強のために勤務し、その中で【認知症】についての知識も必要だと感じられ、認知症の勉強も始めました。他にも、資格を取得するに辺り、精神の勉強をするため一陽病院へも勤務をし、資格取得後は相談員として働かれていたそうです。
「資格マニアなの?とたまに言われるけど、どうせ勉強するならちゃんとしたことをしたかったがよ。」と笑いながら仰っていました。
 
●介護タクシーをするきっかけは友人との会話
「学校に通っている当時は介護タクシーをやろうって全然思ってなくて、『託児所・宅老所をやりたい』という想いが一番にあったがよ。」と堅田さん。
ある日、ご友人家族と「何かしようか」という話になった際に不意に介護タクシーの話になったのが『ポッポ介護タクシー』がスタートするきっかけに。
ご友人とは共同経営という形は取らず、現在は【ポッポ介護タクシー】【介護タクシー2ndポッポ】のそれぞれで活動をしています。
「介護タクシーに行くだけやったら普通のタクシーで良いけどそうじゃなくて、その人を降ろしたりとか病院の先生の話を一緒に聞くと家族になれるがよ。いい仕事が今できゆうなって感じる。」
 
介護タクシーを始めた当初は医師から「あなた責任取れるの?介護タクシーの人に何ができるの?」という冷たい言葉もあったとのこと。
「先生には『責任は取れんけど、ここで聞いた話は全てケアマネさんやご家族に伝えることはできる。ご家族やケアマネさんの想いを先生に伝えさせてもらうこともできます!』と伝えたけど、無視されることもあったね(笑) けど、今思うと先生の言葉の裏には『必至で患者と向き合い説明をしているので、その説明が響かない人が来てもらっても困る』という思いがあったのかもしれん。けど、ある日付き添いで行った耳の遠い利用者さんに先生が『この人にずっとついてもらいよ!』と言ってくれたことがあって、それがすごい嬉しくて。信頼関係が築けたと思った瞬間やった。」と当時の出来事を話してくれました。
今では信頼もしていただいているようで、また介護タクシーについても少しずつ浸透していっていることを実感されているようです。
 
●開業はご主人が全力サポート!
開業するには運輸局での試験など受ける必要があるほか、事業計画書の作成などが必要で大変だったそうです。しかし、ご主人が開業の何年か前から事業について温めていたそうで、ある程度運輸局の方と介護タクシー開業までについてのやり取りを事前にしてくれていたこともあり、大変助かったそうです。
「主人のサポートがあっての開業でした。好きなことをさせてもらっているので本当にありがたい。」と感謝を述べられていました。
 
●「ありがとう」の言葉が一番嬉しい
この仕事の楽しさややりがいは『感謝の言葉』が一番大きいと堅田さん。
「やっぱり『ありがとう』って言われるのが一番嬉しい。他にも『頼んでよかった』と言ってもらえることもあって一番の励みになる。あとは、人との繋がりがすごく楽しいね!子どもは見たら家庭が分かるって言われるけど、お年寄りは生きて来た長さだけ引出しがいっぱいあるから、それを引き出してあげるのも楽しい。なので、この仕事はすごく楽しいです。」
 
●勉強してきたことを少しずつ組み立てて
これから目指したいと思う姿について伺いました。
「子どもは子ども、お年寄りはお年寄りっていう縦割りじゃなくて、子どもも高齢者も一緒に何かをできる場を作りたいなと思ってます。子どもの世話を認知症のおばあさんと一緒にしたり、子どもを連れて来たお母さんと何かを作ってもらったり。何ができるか分からんけど、今まで勉強してきたことをちょっとずつ組み立てて少しでも役に立てるようなことをしていきたいですね。」
 
●最後に!
ポッポ介護タクシーの利用をこれから検討される方へメッセージをいただきました!

 
「以前託児所をしていた時は電話の「もしもし!」という声で入所を決めてくれたお母さんが居ましたが、この仕事も人相手なので相性はもちろんあると思います。『こんな人に頼めるか!』と思う人もきっといると思います。まずは気軽に何でも聞いてください!できるだけできるようにしていきたいと思いますので、なんでもご相談くださいね!」
 
 
ご協力いただき、ありがとうございました!
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